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2015年02月の記事一覧

数学的帰納法第2形式

高等学校で学習する数学的帰納法には第1形式と第2形式がある.高校では以下に紹介する第1形式だけを学ぶ.もちろん高校では第1形式,第2形式という用語は使わない.帰納法に2つの形式があることを知ったのは学生のころ,整数の勉強をしたときである.第1形式から復習してみたい.

次の自然数の整列性を公理として要請する.
自然数の整列性
自然数の空でない任意の集合は最小元をもつ.

数学的帰納法(第1形式)
自然数の集合 $S$ が次の性質(1),(2)をもつならば,$S$ はすべての自然数の集合 $N$ と一致する.
(1)$S$ は $0$ を含む.
(2)任意の自然数 $n$ に対し,もし $n \in S$ ならば $n+1 \in S$ である.
この形式は高校2年の『数学B』の教科書に載っている.直感的に明らかである.

例題として,どの教科書,問題集にも出ている問題を挙げておく.
問題 数学的帰納法を用いて次の等式を証明せよ.
$1+2+3+ \cdots+n= \displaystyle{\frac{1}{2}n(n+1)}$
証明は省略.


次に数学的帰納法(第2形式)を紹介する.
自然数の集合 $S$ が次の性質(1’),(2’)をもつならば,$S$ はすべての自然数の集合 $N$ と一致する.
(1’)$S$ は $0$ を含む.
(2’)$n>0$ である任意の整数 $n$ に対し,もし $0 \leqq k < n$ であるすべての整数 $k$ が $S$ に含まれるならば,$n$ も$S$ に含まれる.
証明
$S$ に含まれない自然数の集合を $T$ とする.自然数の整列性によって $T$ の最小元 $n_0$ がある.(1’)より $n_0 \ne 0$ したがって $n_{\, 0}>0$. $n_0-1$, $n_0-2$, $\cdots$, $1$, $0$ を$S$ の元とする.すると(2’)から $n_0$ も $S$ の元である.これは矛盾である.したがって $T = \phi$. よって集合 $S$ は自然数の集合 $N$ と一致する. $\quad$ $Q.E.D.$

この第2式を用いて解く問題を挙げる.
問題 整数論の基本定理
素数でない自然数は,素数の積に一通りに分解することができる.ただし素因数の順序は問わない.
解答は省略

コメント
学生のときこの第2式を用いた証明が理解できなかった.今でも心許ないが$\cdots$. 高校の教科書に整数という単元が復活して,学生のころを思い出した.長い間,気に掛かっていた悪夢(?) が蘇ったような気分である.でも分からないことにそれほど深刻になったわけでもない.後で考えれば理解できるだろうと思っていた.いわば分からないことに耐性ができた.整数の基本性質は明らかとして問題を考えてきた.

参考文献
[1]田島一郎, 数学ワンポイント双書10『整数』共立出版 初版13刷 2002年4月
[2] 松坂和夫,『解析入門1』岩波書店 1997年10月

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2015/02/28   Mathematik     344TB 0   344Com 0  

微分(関数のグラフ)

質問に答えて
課題 曲線 $y=x^3+3x^2-8x$ と直線 $y=x+k$ との共有点が3個となるときの $k$ の範囲を求めよ.
解答
次の連立方程式が異なる3個の実数解をもてばよい
\begin{equation}
\begin{cases}
y=x^3+3x^2-8x\\
y=x+k
\end{cases}
\end{equation}
$x^3+3x^2-8x=x+k$ として右辺の $x$ を左辺に移項すると
$x^3+3x^2-9x=k$
この式から
$y=x^3+3x^2-9x\, \cdots①$ と $y=k\, \cdots②$ のグラフを書く.
$y\, '=3x^2+6x-9=3(x+3)(x-1)$
$y\, '=0$ とすると $x=-3,\, \, 1$
増減表は省略

グラフから$y=k$ が $y=x^3+3x^2-9x$ と3個の共有点をもつ $k$ の範囲は $-5 < k < 27$

コメント
時間の都合で授業中に答えられなかったですね.悪しからず!

2015/02/23   高校数学     343TB 0   343Com 0  

等比数列の和


等比数列の和の公式
初項$a$ , 公比$r$ のとき 初項から第$n$項までの和を $S_n$ とする.
すなわち
$S_n=a+ar+ar^2+⋯+ar^{\, n-1}$.このとき次が成り立つ.

公式
$r\ne1,\quad S_n=\displaystyle{\frac{a(1-r^n)}{1-r}}$.
$r=1, \quad S_n=na$.
解答
$r \ne 1$
$S_n=a+ar+ar^2+⋯+ar^{\, n-1} \, \, \cdots ①$.
両辺に$r$ をかける.
$rS_n=ar+ar^2+ar^3+ \cdots+ar^{\, n-1}+ar^n\, \, \cdots ②$
$① - ②$
$S_n-rS_n = a-ar^n$
$r\ne1,\quad S_n=\displaystyle{\frac{a(1-r^n)}{1-r}}$.
$r=1,\quad S_n= a+a+\cdots+a=na$ $\quad$ $\square$

補足
ドイツ語の数学書を読んでいるときつぎの証明があった.
$(1+r+r^2+\cdots + r^{\, n-1})(1-r)=1-r^n$ この展開式を用いる.
$(a+ar+ar^2+\cdots+ar^{\, n-1})(1-r)=a(1-r^n)$
$r \ne 1$ のとき,両辺を $1-r$ で割って.
$\quad S_n=\displaystyle{\frac{a(1-r^n)}{1-r}}$.

コメント
ドイツ語の数学書は簡単に処理している.日本の高校の教科書にあるような,両辺に公比 $r$ を掛けて引く.という方法はみあたらなかった.大学初年級むけのテキストだからこれでよいのだろう.生徒諸君の中にも気がついた人もいると思う.


2015/02/15   高校数学     342TB 0   342Com 0  

zyklische Gruppe

Satz
Eine Untergruppe einer zyklischen Gruppe ist wieder zyklisch.

Beweise
Es sei G eine zyklische Gruppe mit dem erzeugenden Element $a$ und $a$ die endliche Ordnung $n$, $a^n=e$. Es sei H eine Untergruppe von G und $a^m \in H$ mit kleinstem positivem Exponenten. Wenn $a^s$ ein beliebiges Element von H ist, kann man
$s= q\, m+r$   ($\, 0 \leqq r < m$)
setzen.
Aus $a^m \in H$  folgt  $a^{-m} \in H$.
Also $a^s (a^{-m})^q =a^{s-mq}=a^r \in H$,
was absurd ist.
Daher gilt $r=0$ d.h. $a^s=(a^m)^q$.
Alle Elemente von H sind also Potenzen von $a^m$.
Was zu beweisen war.

2015/02/13   代数系     341TB 0   341Com 0  

zyklich

Man beweise:
Eine Untergruppe einer zyklichen Gruppe ist wieder zyklisch.


2015/02/11   代数系     340TB 0   340Com 0  

多項定理

昨日の解答です.
$(a+b+c)^n$ の展開式の一般項は$\displaystyle{\frac{n!}{p!\, q!\, r!}}a^{\, p}b^{\, q} c^{\, r}$ である.
ただし $p+q+r=n ; \quad p, \, q, \, r \geqq 0$

考え方 式の展開というのは分配の法則を使って計算をすればよい.この方法は中学校から慣れ親しんだ方法である.他に組み合せの考え方を用いて計算する方法もある.

証明
$(a+b+c)^n=(a+b+c)(a+b+c)\cdots(a+b+c)$ の展開式の $a^{\, p}b^{\, q}c^{\, r}$ の項は $n$ 個の( ) のなかの $p$ 個から $a$ を, $q$ 個から $b$ を, $r$ 個から $c$ をとって掛け合わせたものの和であるから,その係数は
\begin{align*}
& _nC_p \cdot _{n-p}C_q \cdot _{n-p-q}C_r \\
&= \frac{n(n-1)\cdots(n-p+1)}{p!}\cdot \frac{(n-p)(n-p-1)\cdots(n-p-q+1)}{q!} \cdot \frac{r!}{r!}\\
&= \frac{n(n-1)\cdots(n-p+1)\cdot(n-p)(n-p-1)\cdots(n-p-q+1)\cdot r!}{p\, ! \, q\, !\, r\, !}\\
&= \frac{n(n-1)\cdots(n-p+1)\cdot(n-p)(n-p-1)\cdots(r+1)\cdot r(r-1)\cdots 2\cdot1}{p\, ! \, q\, !\, r\, !}\\
&=\frac{n!}{p\, ! \, q\, !\, r\, !} \quad \square
\end{align*}


2015/02/10   高校数学     339TB 0   339Com 0  

多項定理について

生徒さんからの質問です.
$(a+b+c)^n$ の展開式の一般項は$\displaystyle{\frac{n\, !}{p\, !\, q\, !\, r\, !}}a^{\, p}b^{\, q} c^{\, r}$ である.
ただし $p+q+r=n ; \quad p, \, q, \, r \geqq 0$

解答は後ほど


2015/02/09   高校数学     338TB 0   338Com 0  

質問に答えて

先日の問題の解答です・
問題 次の数の下5桁の数を求めよ.
   $101^{100}$

使用する公式
公式 $(a+b)^n=_nC_{\, 0} a^n+_nC_{\, 1}a^{n-1}b+\cdots+_nC_{\, n-1}ab^{n-1}+_nC_{\, n}b^n$
   $_nC_r=_nC_{\, n-r}$

解答 二項定理を使う.
$101^{100}=(100+1)^{100}=_{100}C_{0}100^{100}+ _{100}C_1100^{99}\cdot1+\cdots+_{100}C_{98}100^2\cdot1^{98}+_{100}C_{99}100\cdot 1^{99}+_{100}C_{100}1^{100}$
この展開で最後の4項に注目する.
\begin{align*}
_{100}C_{97}100^3\cdot1^{97}&=161700000000\\
_{100}C_{98}100^2\cdot1^{98}&=49500000\\
_{100}C_{99}100\cdot 1^{99}&=10000\\
_{100}C_{100}1^{100}&=1\\
_{100}C_{97}100^3\cdot1^{97}+_{100}C_{98}100^2\cdot1^{98}+_{100}C_{100}1^{100}+_{100}C_{100}1^{100}&=161749510001
\end{align*}
最後の4項から前の項は $100^{\, 3}$ を含み,下5桁の数がすべて $0$ になる.したがって下5桁に影響を与えることはない.
よって求める数は 10001 である. $\square$

コメント
前々回の問題( $29^{\, 51}$ を $900$ で割った余りを求める問題)にも二項定理が使えるのですね.生徒さんと話していて気がつきました.笑)

2015/02/06   高校数学     334TB 0   334Com 0  

質問されました.


問題 次の数の下5桁の数を求めよ.
   $101^{100}$

解答 後ほど解答します.

2015/02/04   高校数学     336TB 0   336Com 0  

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